株式会社クラブマネジメント代表取締役 小幡万里子
最期になにが残るのか・・・それが、利他の答なのです。
BPA LIVE Vol.2では「利他心」(altruism)をメインテーマに3名のプレゼンテーターにお話を伺いました。利他とは互いを尊重すること。多種多様の価値観をもった互いを認め合い、さらに、その一人一人のもっているものを、組み合わせ、一人一人の幸福の上に、もっと多くの人の幸福を創り上げていく力をいいます。まさに、ビジネスプロデューサーの仕事に欠かせない心といえましょう。
それは、決して自己犠牲の上に成り立つものではなく、他を生かし、自分を生かすということを忘れない気持です。自己犠牲は、時に相手に劣等感を与えてしまいます。「施しを受けている自分」という気持ちを与えられては素直に相手に感謝の心をもつことはできなくなってしまいます。
「altruism」は日本では愛他という言葉として入ってきました。利他の心をもって行動する時に、愛があるか、共感があるかということが基準といわれます。
他人の夢や生き方を否定し、嘲笑うような社会には、誰もがしたくはないでしょう。今。幼い子どもたちも、大人と同じように、自分と違う子どもを否定します。そこには、妬み、嫉みといった感情を含め、相手を自分と同質にしようという同調圧力と相手に対する過剰な干渉があります。
自分の好きなことをみつけること。自分が一生懸命に取り組めることをやり続けること。そうした時間を過ごしている時、他人がなにをしていても気にする暇さえなくなります。
日本は島国です。だからこそ、独自文化が生まれ、日本という国を愛する気持ちが、とても豊かな国でした。
皆が同じであるということを平等であり博愛であると思ってきました。
とても良い部分でもありますが、違うモノを受け入れがたいという部分もあり、他民族を受け入れることが難しかったり、ことさら身近な人を干渉してしまったりという弊害もあります。
ビジネスの上では、自分たちのもっているものと異なるものを併せ持つことで、他との差別化が生まれ、独自の魅力につながります。そのためには、自分のもっている既成概念を捨て去ることも大切です。
利他という言葉には、こうした自分の内面にある枠を外し、他者を受け入れるという意味も含まれているのだと思います。
ビジネスプロデューサーは自分自身のこだわりを、もちろん持っていますが、他者のもつものを受け入れ、それを、どこかで生かすことを考える時、自分のこだわりよりも、なお大きな幸福ということを考えます。
答えは自分でみつけてくださいという言葉は、とても冷たく聞こえるかもしれません。
しかし、自分で選び取った答えに責任をもって進んで行くということは、人として、とても大切な生き方です。
そして、本当の利他心とは、その相手の選んだ答えを尊重していくことだと感じています。
ジュニアクラブ、アカデミッククラブが生まれてまいりました。
生命から人間に成る時、最初に創られる感覚器官は耳です。母親のお腹の中で母親の声を聞き安心するのです。
「相手の言葉を聞く」ということは、すべてにおいて、とても大切なことです。
相手の言葉とは、年齢でも性別でも権威でも分け隔てることなく聞くことです。
相手の心を思うと同時に、自分自身のことをよく知ることでもあります。
相手を想っていても、自分にできないことは、誰かの力や、何かの力を借りることも必要です。
互いにその自分を知り、補完し合いながら、尊重し合いながら、共有するビジョンに向かってできることを出し合っていきたいと思います。
そのために、共感いただくこと、愛を感じてもらうことが、大切だと思っております。
BPA LIVEはそのビジョンの共有のできる利他の場として存在し続けてまいりたいと思っております。
また、学びの場BPAスクール開設も予定しております。多くの皆さまにプロデュースの力を学び取っていただけましたら、とても嬉しく思います。