ビジネスプロデューサー協会会報誌『BPA JAPAN』第7号(2012年8月30日発行)に掲載された記事です。

ソーシャルメディアマネージャー協会 高窪雅基氏

高窪氏の経歴が面白い!パイロットを目指すも英語が苦手で航空大学受験を断念し和食料理人となる。
板長に包丁で刺されそうになり、それがきっかけでデスクワークに就くことを決意。
学歴がないため外資系企業に就職するべく英語学習とIT技術習得に本格的に取り組む。
OJTでIT技術を習得するかたわら英語学習法、ジョン万次郎メソッドを生み出し年間の『映画館留学』を実践。
クレディ・スイス銀行に転職を果たす。
2006年よりインターネットマーケティングの研究を開始。
現在は日本のソーシャルメディアの普及に努めるため株式会社ソーシャルメディアジャパンでソーシャルメディアマネージャー協会、その他ビジネスの立上げに従事している。

高窪氏は、生き方が上手な人なのだろう。
それは決して要領が良いとか、ずる賢いといった生き方ではなく、自分に合わないと思ったことは、すっぱりと諦め、次に足りないものを埋めていく生き方をみつけるために、まず、動いてみる!という潔さをもった生き方だ。

ほんものの英語を習得するために、英会話学校に通うことを常識と思う人が多いであろうが、それはマスコミが作った英会話学校の広告の力である。
実際に英語を身につけるには、海外に行くこと、それが無理ならば・・・と映画の理解度を可視化して、その理解度に合わせたトレーニングを行う学習法として、高窪氏独自のメソッドを作り上げた。
英会話学校よりも安価で生きた英語を身につけることが可能だ。
なにしろ本当の日常会話は英会話学校の英語ではなく映画の中の英語だからだ。

そんな日本に足りないもののひとつ、グローバルになった現代で、欠かせないソーシャルメディアに目をつけ、そのメディアマネージャーの教育にいち早く手を伸ばしたのが、ソーシャルメディアマネージャー協会を設立した高窪氏である。

アメリカでは、なんの根拠もなくソーシャルメディアマネージャーを名乗る人が増えたことで混乱を招き、これらの正しい知識を教える教育ビジネスが生まれてきた。
アメリカでは日本とは違い、多数のソーシャルメディアが存在している。
日本ではmixiやAmebaが大きな規模を持っているものの、ビジネスは許可されておらず、世界のソーシャルメディアと比較して、その活用を最大限に使いこなしていないということが現状である。

ソーシャルメディアは一過性のものなか?
それとも産業革命以来の大きなシフトなのか?

と、問いかける高窪氏。

フェイスブック人口は9億人、世界各国の人口で比較すると、13億人の中国、12億人のインドに次ぐ3番目の人口をもつ国ともいえる。
アメリカでは、93%のマーケッターが、ソーシャルメディアをビジネスとして利用している。
ソーシャルメディアの勢いを感じさせるものとして、5千人の利用者が増えるまでに、ラジオは38年かかり、テレビは13年、インターネットは4年、フェイスブックはわずか1年足らずで2億人。インターネットにブラウザが公開されインターネットが利用できるようになってから

「Is Social media a Fad?」

17年であるが、近年、インターネット上にゴミのようなサイトが散乱され、米Googleは昨年7月に、質の低いサイトの検索順位を下げ、検索結果を向上させるための検索アルゴリズムの変更である通称「PandaUpdate(パンダアップデート)」を適用した。
今年4月「ペンギンアップデート(PenguinUpdate)」で、検索マーケティングの小手先テクニックで順位を上げようとするアプローチ、スパム法や、過剰な相互リンク(大量にリンクが掲載されているだけの、ユーザーにとって無価値なサイト、コンテンツが実質的に存在しないブログからリンクを獲得していたサイト等)を許さない方針を打ち出した。

ソーシャルメディアでは、今後、こうした個への最適な提供こそが重要になってくるのである。
ソーシャルメディア利用者の特徴として、90%の人は仲間内の推薦、リコメンデーション(顧客の要望や属性、利用履歴などに基づいて適切な商品を自動的に判断して薦めるシステムもしくはその仕組み)を信用し、広告については、14%しか信用できないという数字が出ている。

「Money is in the List」

といわれるように、ビジネスにおいて顧客リストが重要で顧客をつかみ離さないためにソーシャルマネージャーの役割は大変に多岐にわたっている。
それをサポートするのがソーシャルマネージャー協会の役割である。
ソーシャルメディアの未来ではHP、ブログ、ツイッタ―、フェイスブックなどのそれぞれの有効活用が必須である。
特に既存のウェブでよく使われる広告への不信が大きくなっている今、フェイスブックで共感を得、それをつなげ、広げていく方法がさらに有効になってくる。
ネット検索で上位を保持するためにも、常に新鮮な話題や動画を制作しYoutubeやUSTREAMなどで配信していくことが必要になる。

またインターネットは、マーケットとしても、国を超えるチャンスにあふれており、英語発信で世界に向けるということも大切である。
ソーシャルメディアで成功するためには、内部規定や役割、プロセスの整理、目的の明確化を行う必要がある。
ソーシャルリスニングという言葉が表現するように、良い評判も悪い評判もネット上に乗っかる時代である。
クレーム処理に関して、過去は電話によるクレーム対応ができたが、現代ではクレームが直接に個人のブログで晒される。
デルでは、24時間体制でネット上を検索し、一日に2万2千件程のクレームに対応している。

ソーシャルメディアマネージャー協会のミッションは、収入につながる「食える資格作り」を目指しており、試験に合格した者に認定資格を与えることで無能コンサルの排除を行い、ソーシャルメディアマネージャーのブランディングを高めていく。

そのために、変化の激しいITに対応できるよう、知識のアップデート(キュレーション)と、海外ネットワークを使ったファシリテーションサポート、システムサポートを行う。
BPAと同じく、求める人材は、高度なコミュニケーション能力をもち、既成概念を覆す思考をもった者たちであり、認定資格に合格すると、ソーシャルメディアマネージャー協会とパートナーシップを結び、海外ネットワーク、ネットを使った世界でのブレーンストーミングのできるコミュニティ、システムサポートを利用できる。

翻訳を可能にする出版サポートや、ゲーム、海外進出サポートなどは、すぐに可能なサポートである。

最後に高窪氏は、

「Is Social media a Fad?」

という最初の問いに、今、ソーシャルメディアビジネスに参入することは

「The ROI of Social Media is Your Business will still exist in 5 years」
(5年後にあなたのビジネスが存在しているかどうかの投資)

であると答えた。

– ソーシャルメディアの未来像 –

2010年、米国オバマ大統領が、自身のツイッタ―アカウントを主担当するソーシャルメディア・マネージメント人材を急募した。
そこには以下のような資格が並べられた。ちなみにオバマ氏はツイッタ―で、世界最大級のフォロワーを持つが、本人は不器用でツイートしたことがないと告白し注目を集めていた。
彼の代理ツイッタラーは女性だった。
当時、オバマ大統領のフォロワーは300万人以上、フェイスブックのファン数は750万人。
世界に比類なきソーシャルメディアマネージャーとしてアメリカならではの想像もつかない高収入が保証されたであろう。
しかも、人種・年齢・性別・国籍・宗教などに関する制限がないのもアメリカである。

【必要なスキル・経験】
1.ディテールにいたるまで洗練された執筆・編集能力:特に力強く、シャープで、人に好かれるようなメッセージを創り出せること
2.組織をまとめ、政治運用するための卓越した才能:人々の行動を促し、正しいタイミングで正しいインパクトを伝える方法を知っていること
3.フェイスブック、ツイッタ―のようなソーシャルネットワーキングに精通していること
4.ものすごくタフな仕事で、残業なしのような仕事ではない
5 .デッドラインのプレッシャーに耐えうる能力を備えていること
6.複雑なプロジェクトを同時並行して行える能力を備えていること
7.チェンジを掲げるオバマ大統領の政治課題を理解し、多くの米国民と繋がることに情熱を持っていること
8.ワシントンDCへ移転できること

2008年の米大統領選でバラク・オバマを勝利に導いたのは、動画配信、フェイスブック、ブログ、携帯アプリなどのソーシャルメディアの活用であった。

無名の新人を「世界ブランド」に押し上げたこの新しいメディアは企業のマーケティング戦略にとっても無視できない。
一般市民との意見交換を可能にし、複雑な説明に利用し、彼の立候補宣言に、有能なスタッフが集まった。
何百万人もの市民がボランティアに志願し、自然に仲間同士で連携を取り合い5ドル、10ドルという小口献金のリピートと
いう画期的な戦略によって、オバマ陣営は最終的に7億5000万ドルを集めた。

日本でもソーシャルメディアマネージャーのポジションが確立していく時代が到来するであろう。
この大きな力「怪物」ソーシャルメディアをうまく活用し、消費者と有益なコミュニティーを作れる企業には大きなチャンスが広がっているといえよう。

(文責 小幡万里子)

撮影:石郷友仁

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