ビジネスプロデューサー協会会報誌『BPA JAPAN』第7号(2012年8月30日発行)に掲載された記事です。

人には、ふたつの誕生があります。
第一の誕生は生物的な誕生。
第二の誕生は社会的存在としての誕生。

父が子に与えるのは、強く正しく生きること。

理性を伝えるために恐怖に打ち克ち、平然に埋もれぬために勇敢であれ!と。
快楽に溺れるでなく、苦痛にさいなまれるでなく。

時に、子は、その教えを全うするために、命の危険にさらされる時もあるでしょう。
二度と自分は立ち直れないと、父を憎み恨み、殺してやりたいと思うこともあるでしょう。
それでも、父は、子が二度目の誕生を手に入れるために、恐怖を与え、時に、自分の死をもってでも気づかせてやらねばならない孤独な存在でもあるのです。

何が正しくて、何が間違っているのか。
人はどうあらねばならないのか。

神話は、そうした価値観を知る、私たちの「歴史」の物語。
今。
神話は失われつつあります。本当の歴史を口伝えに伝えることができなくなりました。
ビジネスは、単なる数字を追うものではありません。
誰かのために、自分のできることをしよう。
その感謝の気持ちを表すものとして、互いが必要とするモノとモノとを交換し、やがて、お金という共通の価値観を表す貨幣が生まれてきたのです。

人生は様々な選択が可能なのです。
これでなくてはならないという人生はありません。

同じく、ビジネスも様々な方法や思考があります。
汚いやり方、きれいなやり方、目的がお金であったり、人々の幸福であったり、一時の快楽のためであったり、苦しくと
も未来輝くためのものであったり。

そうした、種々雑多な玉石混淆の中で、誰もが価値あるものと感じられる、誰もが参加したいと願うビジネスを生み出す
者が、ビジネスプロデューサーです。

僕は、いったい、どこからきて、どこに向っているのだろう?

そんな子のアイデンティティの問いに答えるのが

父・・・の存在。

子は、人生を挑戦しながら学びます。
成長する中で、越えていかねばならない多くのことに出会います。

それらを越えていくことで、自分という存在を自分で感じることができるのです。
しかし、今、人生を挑戦することが、子どもには許されていません。
時間を忘れるほどに夢中になること。
結果がいいか、悪いかなんてことの前に、やってみたくて仕方がないこと。
それを繰り返していく中で、父の生きた姿を見ながら、自分でみつける「イメージの沈殿物」が価値観であり心の良心
なのです。

ビジネスにおいても、それらは、心の良心を抱えながら、自分の感情や行動を導き、観察し、批判する自分の基準をも
ち、価値観を作り上げるのです。

父は、なにも言わず生きた時間に、子に神話を残すことで、未来を託すのです。

(小幡万里子)

撮影:石郷友仁

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